心療内科・精神科
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病気のことを良く知り、自分の今を良い方向に変えていくために
:知ることから始まる変化のために

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こころの病気は、色々なストレスによって心と体のバランスが崩れることによっておこります。特に特徴的な心の状態として、今ここでの自分に意識が向きにくくなり、過去や先のことや人の評価ばかり気になるようになり、不安で緊張して目の前の事に意識が集中出来なくなります。今の自分に自信が持てず、好きな事や趣味が減ってきて、切り替えが上手く出来なくなり、今を楽しめなくなります。体も不安などから緊張していって、動悸、過呼吸、頭痛、肩こり、嘔気、めまい、不眠などをみとめるようになります。これらの症状はこころの病気に共通して見られることが多く、そのため、治療は過去や未来や評価ではなく、今ここでの自分に自信がもて、今を感じ楽しめるようになり、心も体もリラックスできオンオフの切り替えが上手く出来るようになることを目指しております。以下に主な症状や病気の説明を分かり易いようにご説明致しますが、詳しくは来院時や通院の中でご説明致します。
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自律神経失調症(自律神経失調状態):
あらゆるこころの病気で見られる体の症状の原因となります。

例えば、うつ病では動悸、不眠、食欲低下、嘔気、便秘、下痢、過呼吸、頭痛、めまいなどの身体症状は自律神経が失調して起こります。
パニック障害でのパニック発作時の動悸、過呼吸やめまいなども同様です。
社交不安障害での顔が赤くなる、手が震える、声がつまる、お腹が急に痛くなるなども同様です。

しかしこの自律神経失調症(自律神経失調状態)は、誰でも直ぐに起こっています。
気温の寒暖差や気圧の変化に体がついていけない時には、誰しもが体調を崩すことがあるのではないでしょうか?
これは気温の寒暖差や気圧の変化で自律神経が失調してしまい、その結果体調を崩すからです。

もっと身近では、何か偉い人の前とか、大勢の人の前で急に挨拶しないといけなくなったありしたら、誰でも緊張して動悸がしたり、口が渇いたり、手が震えたり、お腹が痛くなったりするのではないでしょうか?
これも一時的な自律神経失調状態です。

また自律神経失調症(自律神経失調状態)が長く続くと、あらゆる身体疾患の原因やきっかけになります。
例えば高血圧症、不整脈、心筋梗塞、糖尿病、脳梗塞、脳出血、胃潰瘍や免疫力の低下による癌などです。

ですので自律神経失調症(自律神経失調状態)を良く理解することはとても重要ですので以下に簡単に説明致します。

自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあり体をオートメーションでコントロールしています。
脳から体の末端の細い血管にまでまとわりついていて、全身にくまなく張り巡らせています。
これによって意識しなくても心臓や血圧は適切に保たれ、呼吸も勝手にしていますし、腸は自動で動いて必要な栄養分を消化吸収しますし、夜になると普通は勝手に眠くなりますし、朝には眼が覚め体温が上がってきます。走ると心拍は自動的に上がり、呼吸も早く深くなります。

交感神経は人間が活発に活動して行けるように体を調整していく神経です。朝頃から徐々に上がって行き、夕方頃から下がって行きます。この神経は不安を感じたりびっくりしたりすると瞬間的に上がり、動悸、血圧上昇、手足の震え、眼の瞳孔の拡大や食欲が低下します。
簡単に言うと体の臨戦態勢です。人間の体は原始時代とそれほど変わっていませんので、獣に襲われた時瞬時に働くのもこの神経です。動悸がして(心拍上昇)、血圧が上昇して、過呼吸になって手や足が震えるのは、直ぐ逃げるか戦うために走ったり、手や足の筋肉を直ぐ動かせる状態にするためですし、眼の瞳孔が拡大するのは獣をきっちり見るためです。不眠や食欲がなくなるのも逃げるか戦う状態では必要がないばかりか、死を意味します。
逆に副交感神経は、人間が休息しリラックスし栄養を補給するようにもって行く神経です。夕方頃から上がって行き、朝方頃から下がって行きます。もちろんお昼休みにご飯を美味しく食べている時は副交感神経優位になっていますし、リラックスしている時も副交感神経優位になっていますので、単純に昼間が最も低いわけではありません。
正常な人では、この2つの神経の日内リズムが上手く取れていて、体の働きのバランスが上手く行っています。
ところがストレスが続くと活動するようにもっていく交感神経が働き過ぎて、バランスが崩れてしまい、交感神経優位な状態となり、そのため動悸、過呼吸、肩こり、嘔気、不眠が続くことになります。
さらに高血圧症、不整脈、心筋梗塞や脳梗塞などのあらゆる身体疾患にもなってしまいます。

治療はバランスを取り戻すことを目指し各種心理療法や呼吸法によるリラクゼーションの習得や無理のないバ ランスのとれた生活スタイルの確立などが必要ですし、一度立ち止まって自分の人生を振り返り、見直すのも必 要かもしれません。

適応障害について(より良く生きるために):
4月になり新年度が始まると、新社会人になられた方々は不安の中頑張っておられると思います。

ところで私の時は、右も左もわからない中で、先輩医師に頼まれるまま、断ることも出来ず当直を引き受け、気づくと13連泊で当直したこともありました。最初の一年目は当直をかなりしたと思います。当直では医師は私一人だけなので不安でいっぱいでした。
最初の一年目はスキルを早く身に着けたいと必死に休むことなく頑張りました。でも同期の中には体調を崩す人や転科(他の科に移ること)を希望する人も多かったです。私には幸い今の科が合っていたみたいです。

話をもどしますが、4月に入ると入学、入社、転勤、転居や昇進などに伴う環境の大きな変化を経験される方が多いと思います。もちろん時期に関係なく結婚や出産などで大きな環境の変化を受ける方もおられると思います。
そしてこれらの環境の変化に伴って、社会的に求められる事柄にうまく適応出来ない場合、心と体にストレスがかかり、不眠、頭痛や嘔気などの自律神経失調状態やうつ状態などをみとめるようになる状態を一般的には適応障害と言います。
悪化すれば職場や学校に行けなくなったり、育児や家事などの家庭生活ができなくなります。
直接の原因は大きな環境の変化にありますので、可能であれば、もとの環境に戻るのが一番です。
ですが実際は無理な場合が多いですので、もう無理、と思ったら出来るだけ早く、自分一人だけで悩み苦しむのではなくて、周りの人達に思い切って相談して、理解してもらい、可能なかぎりのサポートを受けつつ、自分が今無理なく出来る範囲の事を少しずつ行い、慣れて行くことが必要です。心療内科を受診され相談されるのも良いと思います。必要があれば、診断書(病状説明のためや配慮をお願いするためや休職のための)を発行したり、ご家族や職場の方などと一緒に来院して頂きサポートが上手く受けられる様に病状をご説明し皆さまとご一緒にご相談させて頂くことや、症状に対する対照療法的な薬物療法を実施することも出来ます。
適応障害は辛い状態ですが、これをきっかけに周りの人達との理解と人間関係が深まり、人に任せられる事は任して、お互いに協力し助けあう関係性が築け、自分の限界が分かり、より良い別の考え方、生き方が出来る様になれると思います。
更に可能であれば守破離が出来ればいいと思います。
守破離(しゅはり)は、日本での茶道、武道、芸術等における師弟関係のあり方の一つです。日本において左記の文化が発展、進化してきた創造的な過程のベースとなっている思想でもあります。個人のスキルを3段階のレベルで表しています。
まずは師匠に言われたこと、型を「守る」ところから修行が始まる。その後、その型を自分と照らし合わせて研究することにより、自分に合った、より良いと思われる型をつくることにより既存の型を「破る」。最終的には師匠の型、そして自分自身が造り出した型の上に立脚した個人は、自分自身と技についてよく理解しているため、型から自由になり、型から離れて自在になることができる。(ウィキペディア参考)

でもまずは良い師匠に出会う必要があると思います。本当に自分に合っていないと感じたなら、早めにその環境を変える必要があると思います。

睡眠障害(不眠症):
寝つきが悪い・中途覚醒・早朝覚醒などがありますが、いずれにしても自立神経失調状態・交感神経優位になっている状態です。
簡単にいうと、一日中緊張状態が続いてしまっていて、夜になっても眠れない状態になっているということです。
実は私も不眠になりがちですので、他人事ではなく良く理解しています。
私が不眠に悩ませられるようになったのは、小学校3年生頃からです。もともと神経質だったのもあるのですが、きっかけは少し変ですが、ある時ふと、どうやったら眠れるのか?意識がある時と眠る夢の境目はどこか?などと眠ることを考えるようになってしまってからです。
それ以降眠ることを意識して、眠れなかったらどうしよう?とか眠る時、眠ることを考えるようになり、不眠がちとなってしまいました。
不眠でお悩みの方も多いと思いますので、これから分かり易く不眠についてお話ししていきたいと思います。
治療としましては、自律神経のバランスが取れるように色々な方法を考えていきます。必要があれば薬物療法も実施致します。
ではどんな時不眠になるか、簡単に整理してみましょう。
1)明日重要なことがあり、そのため何としても今日はぐっすり寝て疲れをとっておきたい時。
例えば、明日は一日仕事が忙しいから疲れをとっておきたい。明日は大切な試験がある。
明日は朝早くからテニスの試合がある。などです。
2) 悩み事があって夜寝る時になったら考えてします。
3)仕事などが忙しくて、考える事が多くなり緊張状態が続いていて眠れない。
4)寝る前携帯をみたり、ネットをしたりして頭がさえてしまって眠れない。
5)夜勤があるシフトの仕事をしていてバイオリズムがくるってしまっている。
ちなみに私の場合は開業するまでは全部が当てはまりましたが、今は5)は無くなりました。
一晩眠れないだけでも次の日は一日中とてもだるくてしんどいですし、それが続くとうつ病や躁うつ病などになることもあります。
それでは不眠についてその根本的な原因と対処法をお話ししたいと思います。
まず原因を理解するためには、眠ることを理解する必要があります。
眠ることとは簡単に言うと、生理現象であり自然現象です。欲求であり本能でもあります。
自然体で今をリラックスして生きていたら発生する現象です。
これは今を感じることでもあります。
不思議と思われる方もおられるかも知れませんが、これは今をリラックスして生きることと同じですので、美味しくご飯を食べること、楽しく笑うこと、楽しむこと、趣味を楽しむこと(私はテニス)と同じです。
その逆は思考すること、考えることです。
考え事をすると、今ここ、に心がいなくなり、今をリラックスして感じられなくなります。
考える→不安になる→緊張する→交感神経がたかぶる→不眠になる、です。
他にも考えた瞬間に美味しく味わって食べられなくなる、笑えなくなる、楽しくなくなります。
ですので、眠ろうと考えると、そのとたん、自然体でなくなり眠れなくなります。
私が小学校3年生の時から眠ることを考えてから不眠傾向になったのもそのためです。
ですので、眠るためには、眠ろうと考えないで緊張せずリラックスして自然体でいることです。
そんなこと出来るのか?と思われる方も多いと思いますので、具体的な対処法や治療法をお話しさせて頂きます。
人は眠ろうと考えたとたんに、眠りを意識して、眠るという生理現象、自然現象、自然体でなくなるからだとお話しさせて頂きました。
別の例で言えば、人からサーブ上手いですね、と言われたとたんサーブを上手く入れる事を意識し過ぎてダブルフォルトするのと同じです。
逆につまらない授業を聞いていたら、考えないから眠くなって仕方がない、という体験もあったのでは?
ですので眠ることを意識しない、考えないことです。そんなことできるのか?簡単な方法があります。
その具体的方法はとても簡単な呼吸法です。
眠る時、ただ単に呼吸を観察することです。
リラックスして呼吸しようとか、ゆっくり呼吸しようとか考えるのではなく、単に呼吸を観察することです。
お腹の深い所で呼吸に伴ってお腹がどう動いているか観察し感じることです。
単純すぎて、すぐ何か考えてしまうと思います。眠れるか、明日はどうしようか、今日は最悪だったとか。
そして考えていることに気が付いたらすぐにまた呼吸を観察し感じて下さい。
これを繰り返していると、知らない間に眠ってしまっています。
簡単に呼吸法と言いましたが、これはヨガの呼吸法や仏教の座禅の瞑想と基本は同じです。
だから体得するまで簡単なようで難しいかも知れません。
しかし当然これだけでは十分ではありませんので、あともう少しお話しさせて頂きます。
寝る前の呼吸法だけでは不十分で、色々な改善や努力が必要です。
それは常に緊張してしまっていて、交感神経が高ぶって眠れなくなっていることが多いので、それを改善するために、特に寝る前にはリラックス出来ているようにもっていくよう色々変えていかなければなりません。
具体的には、仕事や家事が忙しすぎても頑張り過ぎずほどほどにセーブする。
寝る2時間ほど前から頭をあまり使わないようにしてクールダウンしてリラックスする、テレビを見ない、ネットをしない。お風呂でお湯につかって一日の疲れをとる。オンオフを上手く切り替えて早くリラックスして余暇を楽しむ。何でも考えすぎないようにする。カフェインなど飲み過ぎない。適度に運動する。考えるより感じる生活を増やす(美味しく食べる。風景を感じる。漫才をみて笑う。趣味を楽しむ(私はテニス))。などです。
このためには少しずつ意識して生活スタイルや考え方を変え行くことが必要ですので、焦らず出来ることから実行して下さい。
参考までに私の良く眠るための方法をお伝え致します。
1)日頃から出来るだけくよくよ考えないようにして、早く切り替えるようにして、今目の前の事に意識を集中して、リラックスして生活するようにする。仕事中でも時間があれば数分でも呼吸法でリラックスする。
2)食生活を注意して、カフェインを取らない(出来るだけ)。アルコールは飲まない(出来るだけ)。夜9時以降は食べない(出来るだけ)など。
3)出来るだけ生活リズムを守る。12時には寝て6時ごろ起きるようにする。たとえ眠れなくても決まった時間に起きる。また昼寝はあまり長くしない。
4)毎日運動を適度にして、日光にあたるようにする。
6) 必ずお風呂に入って湯船に入って一日の疲れをとり、このときから色々考えないようにす    る。
6)お風呂から出たら扇風機などで身体を冷やす(体温変化で人間の生理現象で眠くなります)。
7)布団に入って呼吸法をして、眠ることを意識しないでいると自然に眠っています。
8)どうしても眠れないときはあきらめる。ただし横になって体力を回復させる。
10) 今の人生を楽しむ(テニス、仕事)ようにする。実際は苦しいことの方が多いですが。 以上です。参考にして下さい。
それではこれから最後に薬物療法についてお話しさせて頂きます。
工夫してもどうしても眠れないときはあると思います。これが続くとうつ病などになることもあります。
また明日のためにどうしても今日は眠りたい時もあると思います。
ですので薬物療法が必要な時があります。
症状にもよりますが、軽い順にご説明させて頂きます。

睡眠薬などに抵抗がある場合や症状が軽い場合は抑肝散(漢方薬は数カ月内服しないと効果がないと思っている方が多いと思いますが、不安や不眠に比較的早く、短時間で効果があり頓服で内服しても効果があります。)や半夏厚朴湯(不安に効果がありやはり頓服で内服しても効果があります。)などの漢方薬で緊張を取って様子をみる。
次に安定剤で不安や緊張を取ってみる。
それでもだめなら睡眠薬を内服してみる。
それでもだめなら安定剤も併用してみる。
睡眠薬も安定剤も軽いのから強いのまで色々ありますが、一般的には軽いのは作用時間が短く強いのは作用時間が長いです。眠れない場合はそれらを色々工夫して処方します。
よく使われる睡眠薬や安定剤はベンゾジアゼピン系というタイプの薬で、脳の情動と関係する大脳辺縁系に作用して不安や不眠に効果を出し内服後30分ぐらいから効果出てきます。安全性は高いですが、毎日内服すると依存性が出来てしまい止められなくなることが多いです。でもストレスで眠れずしんどい日々を過ごすより、上手く内服して良く眠る方がはるかに生活し易く、身体にいいです。環境などが改善すれば、徐々に薬を減量して止める事が出来ますので、あまり依存を心配する必要はありません。
ベンゾジアゼピン系以外の薬では睡眠のリズムと関係があるメラトニンに作用する薬や覚醒物質であるオレキシンに作用する新薬も出ましたので、それらを上手くケースバイケースで内服して、上手く眠れて生活に質が向上すれば良いと思います。

以上簡単に説明させて頂きましたが、やはり薬を内服しないで良く眠るのがベスト、次に数日ぐらいなら眠れなくても開きなおる、次は薬を上手く内服してよく寝る、最後は薬を飲むだけで考え事などをして眠れないのが一番よくないです。薬がどんどん増えていきます。上手く眠って一日を良く生活出来たらいいですね。

うつ状態(うつ病):
ごく簡単に分かりやすく説明致します。詳しくは来院時にお伝えします。誰でも嫌な事があると落ち込む事があると思いますがこれもうつ状態です。これは一時的です。

しかし、嫌な事、辛い事が続いたり重なったりすると、うつ状態が24時間365日続きます。悪化すると自律神経のバランスが崩れて身体的には交感神経優位(戦闘モード)となり、不眠・動悸・過呼吸・便秘・下痢・嘔気などの身体症状を認めるようになり、頭がオーバーヒートして働かなくなってしまいます。

この時の典型的な悪い状態は、とにかく空回りしてあらゆる事を悪く考えすぎるところです(過去や未来、人の評価や人がどう考えているか等)。その為、自己評価が下がり自信がなくなります。その結果、正しい現状把握が出来なくなり、今ここでの自分が感じられなくなり、喜び・楽しみ・趣味がなくなってしまいます。

思考が空回りしているけど思考だけとなってしまって悪い事ばかり考えてしまっています。

今の心と体を感じられなくなってしまいます。

治療はケースバイケースですが、まずはストレスの原因となっている環境などを調整したり、考え方を整理します。これだけでもかなり楽になります。可能であれば原因から一時的に離れることが必要な場合もあります(その時に診断書が必要となる事もあります)。

その後各種心理療法などにより考え方や感じ方を変えて行き、少しずつ、過去や未来や人の評価を頭で考え過ぎるのではなく、今ここでの自分を感じ、自信を持って今出来る事を行動し、今を楽しむことができるようになれるように治療していきます。

薬はあくまでも一時的補助と考えております。今までの生活スタイル・考え方・生き方が変われば治ります。

逆にそれらが変わらない場合は治りきらず、薬を補助的に内服しないといけない状態が続くと考えられます。

考え方を変えれば、もしうつ病を乗り越えることができれば、うつ病が新たな自分に生まれ変わる機会を与えてくれたととらえることが出来ます。人生の転換点で、限界が来ていて、変える必要があったともいえるのではないでしょうか?うつ病が自分を変える機会を与えてくれたと考えらます。

双極性障害(躁うつ病):
ごく簡単に説明しますと、うつ状態だけでなく躁状態の期間があると、双極性障害と診断します。最近では躁状態が小さく期間がごく短いのも見逃さないことが必要だと言われるようになりました。たとえうつ状態が長くても小さくごく短い躁状態があれば双極性障害と診断されるからです。薬物療法を実施する場合、うつ病と双極性障害では治療法が全く違ってきますので診断は重要です。一般に躁状態は一時的でうつ状態の期間がはるかに長いです。しかし抗うつ薬は無効か躁うつの波を大きくし不安定にさせるだけと言われています。薬物療法ではバルプロ酸ナトリウム(デパケンなど)や炭酸リチウム(リーマスなど)などの気分安定薬やオランザピン(ジプレキサなど)やアリピプラゾール(エビリファイなど)での治療が一般的です。人によっては躁状態とうつ状態が一日に何回も入れ替わったり、同時に出現することもあります。原因はケースバイケースで人それぞれですが、ベースに人よりも考え過ぎ、それが続く傾向が強い面が考えられます。そこにきっかけとなる強いストレスがかかった時、うつ病の時と同じで思考が先ばしり、自律神経のバランスが崩れて交感神経優位の緊張状態が続き、思考が止まらなくなり躁状態となります。しかし人間はエネルギーに限界があり、エネルギーがなくなって今度は反対にうつ状態となります。これを繰り返すのが双極性障害です。躁状態の時は気分がハイでとても良くて、衝動的で高額の買い物を借金をしてまで購入したり、ケンカをしたり、怒りっぽくなったり、考えが次から次へと浮かんだり、あまり眠らなくても平気な状態になることが多いです。本人は気分が良い場合が多いので、躁状態であることを周りの方が気づくことが多いです。治療としましては、補助的に気分安定剤が必要な場合が多いと考えられていますが、根本的には、各種心理療法により、自分自身の置かれている今の辛い現状を良く知り、それを変えて行き、同時に今の自分の心と体の状態を良く知り感じ、自分自身を大事に出来るようになれれば、治癒する可能性もあると考えられます。

パニック障害:
この病気はよく芸能人や有名人がなったと告白しているのを聞かれたことが多いと思いますが、強いストレスがかかり、それでも無理をして頑張ってしまう人がなりやすい疾患です。ですのでうつ病との合併も多いです。
簡単に典型的な症状を説明しますと、急に電車の中などで過呼吸、動悸や腹痛などが出現し、自分の体に大きな異変が起こってきたと瞬間的に考え、不安がいっきに大きくなり、そのため更に過呼吸や動悸などが進行し、手足がしびれたりする発作が40分ぐらい続き、救急車で病院に着いた頃には治っているということ(パニック発作)が数回続く中で、また起こってその場所から直ぐ出られなくて(電車の中などから)とても辛い思いをするのではないか?と強い不安を感じるため(広場恐怖)、発作を起こした場所を避けるようになり、行けなくなり、症状が進行すると会社や学校などにも行けなくなることもあり、日常生活に支障をきたす病気です。
最初のうちは体がどこか悪いのではないか?と考えて内科などに受診しますが、結局身体的には異常は見つからず、医師からストレスが原因と言われて心療内科を受診される方が多いです。
原因としては、元々自分の心と体の今の疲れ具合に対して鈍感でセンサーが弱いところがあり、つい知らず知らず無理をして、心と体に負担をかけてしまい、自律神経のバランスが崩れて交感神経優位となり、緊張した状態となったところに限界が来てパニック発作が起こると考えられます。
もっと単純にいいますと、考え過ぎで、今をリラックスして感じて味わって楽しむことが減ってしまっている状態と言えます。
緊張していて身体のちょっとした変化(動悸、息切れなど)がおこる→それを大変なことと考える→強い不安がおこる→さらに緊張して体の変化がもっと大きくなる(動悸や息切れが強くなる)→更に悪く考える、と負の思考と緊張のスパイラルが一瞬でおこるのがパニック発作です。
健常者の場合は、緊張していて身体のちょっとした変化(動悸、息切れなど)がおこる→その体の変化した身体の状態を良くも悪くも考え過ぎず、そのままありのままに受け止め原因を冷静に考える(例えば、最近は仕事が忙しかったから少し疲れて緊張しているな、など)→今日は無理せずぼちぼちやって行こう、と対策を考えて直ぐ実行する→緊張や疲れが改善する。となります。
治療としましては、まず発作が起こらないようにストレスの原因を減らすことが必要です。環境調整や休職することも必要な場合があります。緊張しているのでリラックス出来るよう呼吸法や生活スタイルの改善など色々考えていき、必要があれば薬物療法も実施します。そして緊張がほぐれたところで、発作が起こって行けなくなっていた場所やシチュエーションに少しずつ段階的に、呼吸法などのリラクゼーション療法などを利用したり、必要があれば薬も使用して、慣らして行き(段階的暴露療法)最終的にはもとの生活が可能になります。
しかし一番重要なことは、各種心理療法などにより徐々に自分自身の今の心と体の状態がわかようになり(今の状態を考え過ぎるのではなく、まず感じること、そしてありのままに受け入れること)、思考優位な生き方ではなく、今をリラックスして感じる生き方が増えること(味わうこと、笑うこと、好きになること、趣味を楽しむこと)が重要だと考えられます。すると強いストレスがもしかかっても無理しないように結果的に上手く心と体のバランスが調整出来て、発作が起こらないようになります。
極端に言うと、考えるのではなく、今この瞬間、瞬間を感じて生きることが重要だと考えられます。
そして今までとは違った新しい生き方が出来るようになれれば良いなと思います。パニック発作をきっかけに、今までの自分の在り方を変えるきっかけになれば、と思います。

社交不安障害:
簡単に分かり易く説明しますと、昔で言う対人恐怖症、あがり症や書痙(人前で手が震えて字が書けない)などがこの病気にあたります。原因としましては簡単に言いますと、人の評価を気にしすぎるとか、もともと完璧主義の傾向が強いのがベースにあるところに、環境の変化やトラウマとなる出来事がきっかけで発症することが多いです。治療としましては、徐々に緊張する苦手な場面に慣らして行くのですが(段階的暴露療法)、その時リラックスするためや、一歩引いて落ち着かすために呼吸法などや、必要があれば薬物療法も実施します。また同時に各種心理療法で心の奥の根本にある人の評価を気にし過ぎる面や完璧主義の傾向も変えることが出来れば、もっと自由に生きることができ、今の自分に自信が持てるようになります。

強迫性障害:
私が大学病院で長年臨床研究をしてきた病気です。実は私も少しその傾向はありますが日常生活には支障をきたしていませんし、だんだん年を取ってましになってきました。なるようにしかならないと今は開き直って生きているからかも知れません。

強迫性障害とは、自分でもそんなことないと心の中では本当は分かっているのに、少し先の事をかなり悪く考え過ぎて(強迫観念)、そのため不安がとても強くなり、その不安を早く無くして安心を得たいために、その不安をなくす行為(強迫行為)を直ぐしていますのですが、強い強迫観念は変わらず頭の中にとどまっているため、また直ぐ強い不安が出てきて、またその不安を直ぐなくしたいために、強迫行為を直ぐしてしまい、結局納得がいくまで何回も同じ行為をするようになり、日常生活に支障を来たす病気です。うつ病との合併が多く、時に躁うつ病や統合失調症でもみられます。

具体的には汚染恐怖:例えば手が汚れている感じがして、その汚れを完全にとらないと家中にその汚れが着いてしまうとの強い強迫観念から納得がいくまで頻回に手を洗い、手がカサカサに荒れてしまうまで洗ってしまい、一日のかなりの時間を手洗いに過ごし日常生活に支障を致してしまう状態、

火の元やスイッチや鍵をちゃんとしたか、ちゃんとしてなくて火事になったり泥棒が家に入らないかと考えてしまい、自分でもちゃんと今確認したはずとわかっているのに、そのため強い不安が出て、何回も確認してしまう確認強迫、

他人に危害を加えていないか、車で人をはねていないか、歩いていて当たって通行人に大けがをさせていなかったかなど自分でもそんなことしてないと本当はわかっているのに確信がもてないため、強い不安から何回もその場所に戻ったり振り返る加害強迫、

いがんでいないかなどが気になり不安が強くなり、そのため何回も確認したり、位置を移動させる対称性の強迫性障害、

その他にも不吉と思っている数字が出た時何か悪い事が起こるのではないかと不安になり、それが起こらないように儀式的な行為を何回も自分が納得するまでするなどがあります。

これらの強迫症状が強くなると、日常生活に支障をきたすようになり、時には周りの人にも大丈夫か確認を求めるようになり、周りの人も巻き込んで、自分も周りの人もしんどくなってしまう場合があります(巻き込み強迫)。健康な人でも少しはあると思いますが、病気がどうかは程度が問題となります。日常生活に支障をきたす状態になれば病気と考えられます。ひどくなると会社や学校にいけなくなったり、自宅からも出られなくなったりします。そうなっても治療はできますが、可能であればそうなる前の治療が望ましいいです。

原因としては、元々生真面目で完璧主義的なところがベースにあり、そこに強いストレスや環境の変化がきっかけとなって考える事が多くなりすぎて自分の限界を超えてしまい、不安が強くなって発症することが多いです。

30年程前までは治療法が確立しておらず難治の病気と考えられていましたが、その後色々な有効な治療法が確立されてきました。

治療としましては、まずは強迫症状そのものを少しずつ減らす認知行動療法(暴露反応妨害法)を行っていきます。それとマインドフルネス認知療法も併用することがあります。また必要性があれば必要最低限の薬物療法も実施します。そして今抱えている問題を整理し調整していくヒントを得るためにも可能な範囲で今の環境の中(仕事や学校を休まないなど)で治療していくことが望ましいと考えられます。

一番重要なのは本人が治そうとどれだけ真剣に考えて治療に取り組めるか、どれだけ頑張れるかです。医師ももちろんそう思えるように当然努力はします。

強迫症状の本当の原因は心の奥深いところにあり自分でもなかなか気づかないことであることが多く、人生の中での重い責任を背負っていることが原因である場合があります。治りかけたころそれに気付くことが良くあります。

治療により病気が良くなってくると過去や先のことに気持ちがとらわれることが減っていき、今の自分に自信が持てるようになり、今現在を充実して生きられるようになっていきます。辛い現状であってもしっかりと向き合って生きていける様になります。

更年期障害:
簡単に説明しますと、年齢にともなう女性ホルモンの減少により、のぼせ、ホットフラッシュ、めまい、息切れ、動悸や不定愁訴などの身体症状に加えて、人によりましては、不安、イライラやうつ状態などの心の不調が出る病気です。最近では男性にも似たような症状が出る事がわかってきました。原因としましては、前記のとおりホルモンの減少が考えられますが、むしろそれよりも、それを含めて一言で言えばストレスの重なる人生の時期になったと言うことだと考えられます。人によって元々ストレスに強い人もいれば弱い人もいますし、またストレスも少ない人も多い人もいます。考えられるストレスの原因はやはり加齢による身体機能の変化がまず考えられます。そこに親の介護や子供の問題、仕事の責任の増加や近所付き合いや親せき関係の問題などが考えられます。これらのストレスのため自律神経のバランスが崩れることもホルモンの減少に加えて病状出現の大きな原因と考えられます。治療としましては、簡単に説明しますと、現在のストレスの原因を探り整理するとともに、必要性があれば各種漢方薬などの治療を行ったり、時には血液検査などを実施するか、婦人科と連携して治療を行うこともあります。それと並行して各種心理療法や必要性があれば抗うつ薬などの薬物療法なども行いながら、これまでより、より良く生きられるよう診療を行ってまいります。

発達障害:
簡単に説明しますと、生まれた時からの先天的な脳の機能障害による人とのコミュニケーション能力の障害や不注意多動傾向などがある方が、人生のある時期からそのために生きづらさや困難さを感じるようになることだと考えられます。病名で言いますと自閉症スペクトラム障害や注意欠陥多動性障害などがこれにあたります。先天的な障害や傾向と言いましたが、その人のクセと言ってもいいと思います。人によってこのクセには大きさや内容に差があり千差万別です。一般的にはクセは軽いほど、分かりにくくそのため発見が遅れ治療に結びつきにくいことが多く、働き出してから仕事や人間関係が上手く行かないことなどからようやく気づかれることが多いです。またその人の置かれた環境によっても大きく変わってきます。例えばビルゲイツやエジソンなどは家族などの環境が良かったため上手く生きられました。治療としましては、簡単に説明しますと、人それぞれのクセによる今の生きづらさを解決するために、人それぞれに合ったオリジナルな工夫を認知行動療法的治療などを行いながら探っていき、周囲の人達の理解と協力を得ながら少しずつ生きやすくなって行けるように、と考えて診療しております。また必要性があれば薬物療法も実施しております。

心の病気とは:
心の病気とは本当はどのような状態なのか、またその治療のいとぐちを少しお話し出来ればと思います。

心の病気の状態は、大きなストレスがかかりそれが続き、元々の生真面目な性格なども影響して、考え過ぎてその結果過去や未来ではなく今ここにしか存在しない体(身体)とそれに反応する心(今を感じる心)が減ってしまっていて、思考(過去にこだわり過ぎたり、これから先の未来を悪く考え過ぎたり、他人と比較し過ぎたり、評価を気にし過ぎたり、すべき思考(完璧主義)が強くなって現実とのギャップが大きくなったり)が増えすぎてしまっていている状態です。

そのような状態になりますと考え過ぎて不安や落ち込みが強くなってしまい、その結果緊張してますます考え過ぎてますます不安で落ち込む様になり、更に緊張していくという負のスパイラルに入ってしまいます。

緊張すると自律神経が乱れて不眠、動悸、過呼吸、便秘、下痢、めまいなどの身体症状も出てきます。体が緊張して戦闘モードになってしまいます。

そして本当の自分を生きることが出来なくなってしまいます。
本当の自分を生きるとは今ここを本当に感じて生きることです。

具体的には一番大事なのはリラックスしてみんなと美味しく味わって食べること(食べることは生きるために必ず必要なことです)、
笑うこと、好きと感じること、趣味を楽しむこと、好きな事に没頭することなどです。

思考(考えること)が増えすぎて、今を感じて生きることが減ってしまっている状態です。

思考はどこまで行っても思考なので、相対的なものでしかないためきりがなくしんどいです。ストレス食いもその例です。欲望でもあります。どこまで行っても相対的な他人の評価を気にし過ぎたりしてくたくたになってしまいます。

一方今をリラックスして感じる、例えば美味しく味わって食べることは相対的でなく絶対的で直観的で本能的で欲求でもあります。
人がまずいと言っていても、自分がリラックスして食べて美味しかったらしかたがありません。食べたとたんに「美味しいい」と感じてしまいます。本当の自分が美味しいと瞬間的に今感じたわけです。この時他の人は関係ありません。またこれは欲求なのできりがあり、お腹がいっぱいになればもう食べたくなくなります。思考によるストレス食いとは正反対です。笑う時も自分が面白いと感じた時しか笑いません。他の人は関係ありません。趣味もそうです。

思考が悪いと言っているのではありませんが、社会や会社はすべき、つまりノルマを求めて、損得で物事を考えて、この人間のすべき思考に働きかけてきます。

ですので自分の頭の中の思考と今ここを感じる心と体とのバランスをとることが必要だと考えられます。

簡単にいいますとほどほどがいいということです。

心の病気で一番大切なことはこのバランスを改善することです。

思考だけとなると、何も信じられなくなり、自信がもてなくなり、生きて行くのがしんどくなってしまいます。

ほとんどの人が思考優位ですが、少し本当の自分、リラックスして感じる自分を取り戻すことが必要だと考えられます。

そのために必要であれば不安が強い時は安定剤、考え過ぎに対してはあまり考えないようにするための抗うつ薬などの薬物療法も必要な時はありますが、一番大事なのは心理療法等によりバランスを改善していく事が必要と考えられます。